MRI検査の敵は、御利益あるシッポ

記事公開日 2019年4月19日

卵巣のう腫と異所性内膜症の診断を受け、
大学病院から紹介された施設で、MRI検査を受けてきた。
検査では多くの気付き・学びがあったので日記に残そうと思う。

食事は4時間前までOK、水分も水・お茶なら直前までOKで、
胃カメラや内視鏡検査よりも制限はかなりゆるい。
ただし、事前に訊かれた項目は多い。
・閉所恐怖症の有無
・騒音恐怖症の有無
・ヨード造影剤の点滴やアレルギーに関して
・注射針恐怖症の有無
・病歴・手術歴
・タトゥ―の有無
・体内に金属埋めこみの有無
・湿布やピップエレキバンの有無
私は閉所は苦手だが、心理的安全が確保された場所なら平気なので、どれもクリア。
ちなみに「注射針恐怖」は成人男性でも意外に多く、
造影剤点滴の際は子供用の注射針で代替えするらしい。
タトゥー・入れ墨の人は、染料に含まれた金属がまれに反応し、火傷の危険性がある。
MRI検査は数回経験済みだが、ここまで念入りに訊かれたのは初めて。

検査服に着替え、騒音防止のヘッドフォンをしてドーム状の検査台へ。
目前に白い天井が迫り、かなりの圧迫感。安全とわかっていても、閉所恐怖症の人が入ったら「けっこう大変かも」というのが正直な感想だ。
ヘッドフォンからはリラクゼーションのピアノ曲が流れてくるが、
それも検査の機械音によって、次第に消えていく。

まずは20分間、その後、造影剤点滴(5mg)をしながら20分間。計40分間入った。
この40分の中で一番苦労したのは、尾てい骨の痛みだ。
私の尾てい骨は動物のシッポのように異常に突出しているため、
仰向けの姿勢を続けると、かなり痛い。
どれくらい出ているかというと、
触れた人が100%「ナニ、コレ?」と驚き、プールの滑り台では水着が破れ、
高校時代、ヒップを触った痴漢の手が止まり、二度と触れなかった過去がある。
一方で、突起を撫でた友人に「パチンコで大勝ちした」と喜ばれて、
「ご利益あるシッポ」と命名された。

検査中は動いてはいけないため、まさに、シッポの痛みとの戦い。
本当につらかった。

検査を終えると、私服に着替え。
造影剤を排出するため、今夜は水をよく飲むようアドバイスを受ける。
人によっては、皮膚のかゆみや発疹、吐き気などの副作用もあるらしい。
検査結果が出るのは来週。

ところで、検査続きで一つ分かったこと。
私の血管は太く、浮きでやすく、注射の際(検査する側は)とても好都合らしい。
何度も針を刺さねばならない患者さんもいて、大変なようだ。

そういえば――と注射で思いだしたことがある。
六本木のクラブ時代、店のはす向かいに疲労回復の「ニンニク注射」で有名なHクリニックがあり、
ホステスたちとともによく通っていた。
ミュージシャンの小室さん(清原選手だったかな?)逮捕の際にもとりあげられた芸能人御用達の病院で、先生はとても優しく温厚な方。
ニンニク注射には2種類あり、
・ニンニク臭がキツい「清原スペシャル」
・ニンニクの匂いがしない「小室スペシャル」。
接客前に通っていたホステスは、私も含め「小室スペシャル」を選んでいた。

ある日、いつものように注射を終えると、耳元で年配のナースが囁いた。
「若いうちから注射を打ち続けていると、血管が硬くなって、老人になった時、すごーく大変よ」と。
老人になれば否応なく注射や点滴の機会が増える。
その際に、血管が凝り固まって苦労すると、こっそり教えてくれたのだ。
あのアドバイスを受けてから通院の頻度を減らし、血管の状態を気にするようになった。
それが今、吉と出てありがたい。

さて、大きな検査はこれで終わり、あとは結果待ち。
体調はいいので、リラックスしながらお仕事します!

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蒼井凜花コラム

 

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